2017年04月20日

金属アレルギーパッチテストについて

こんにちは、ぎなん皮ふ科クリニック 院長 伊藤秀明です。

朝方でもだいぶ暖かくなってきましたね。気温の変化で体調を崩して帯状疱疹を発症しないよう、皆様体調には十分注意してくださいね。

以前、なな歯科クリニック伊藤院長の記事で『金属アレルギー』がありましたので本日は連携する皮膚科からの意見も書いてみようと思います。

アレルギーには大きく分けて
T型:アナフィラキシー・蕁麻疹・花粉症などに代表される即時型アレルギー
U型:橋本病・特発性血小板減少性紫斑病などに代表される細胞傷害型アレルギー
V型:全身性エリテマトーデス・関節リウマチに代表される免疫複合体型アレルギー
W型:ツベルクリン反応や接触皮膚炎(かぶれ)に代表される遅延型アレルギー
があります。

このうち金属アレルギーはほとんどがW型アレルギーとなります。
そしてこれを調べるためにはパッチテストが最も有効です。

パッチテストは非常に単純な理論で、『実際にその金属のイオン化したものを一つ一つ貼付してかぶれが再現されるか判断する。』という『再現性の実証』という科学では最も原点の検査です。

当院では火曜日に試薬を貼り付け、木曜日(48時間後)と金曜日(72時間後)と翌週の火曜日(1週刊後)に判定を行います。以前は1週間後の判定は行われておりませんでしたが、最近では72時間後には皮疹が誘発されなかった患者様でも1週間近くなって誘発されてくることが知られてきており学会からも1週間後判定も強く推奨されており、当院でも行っています。
判定は本邦基準とICDRG基準の2種類とも使用して行っていきます。
しかしながら、判定結果は100%ではなく、偽陰性といって実際は金属アレルギーがあるのに陰性(金属アレルギー反応が出ない)ということも起こりえます。

装飾品などに使用されている一般的な金属については直接来院いただいた方でも上記日程でパッチテストを実施させていただきます。
歯科金属についてのパッチテストについては『今通っている歯医者で自費の治療を行ったがそれが合わず、金属アレルギーだったら訴えたい。』などの裁判(訴訟)・賠償請求のために使用されたり、上で述べたように100%の検査でもないにもかかわらず『金属アレルギーかもしれないが検査して違ったら金属を入れたいがそれを保証してほしい。』と要求されることがあり、皮膚科医の先生方で紛争に巻き込まれた事案があるとのことで、ぎなん皮ふ科クリニックではそれらに巻き込まれることを避けるため当院と提携している歯科クリニックの紹介状がない場合には歯科金属に含まれる金属のパッチテストは一切行いません。ご了承ください。

当院と提携している歯科には
・朝日大学PDI岐阜歯科診療所(岐阜市)http://www.asahi-pdi.com/
・なな歯科クリニック(岐南町)http://7dental.jp/
・山内歯科医院(多治見市)http://yamauchi220886.com/
・ぽぱい歯科(名古屋市北区)http://www.popeye-dental.com/
・犬飼歯科医院(名古屋市中区)http://inukai-dent.jp/
・たかはしデンタルクリニック(名古屋市天白区)http://takahashidc.jp/
があります。これらの診療所の先生方は当院と歯科金属アレルギーについて勉強会(先日ブログで書かせていただいた朝日大学PDI岐阜歯科診療所でのパッチテスト勉強会など)を通じて知識の共有を行っており、しっかりした説明と安心安全な治療を行ってくれることを当院でも保証できる歯科医師の先生方です。

歯科では保険改正があり、
以前は、金属アレルギーの方は自費の歯科治療(金属からセラミックへの交換など)を受けるしか方法はありませんでしたが
実は2016年4月の保険改正で奥歯にも白い歯を保険で入れることが可能となり、現在ではすべての歯に条件付きではあるものの保険で金属でない歯が入れられるようになっています。

その条件とは、
『医科の保険医療機関又は医科歯科併設の医療機関の医師との連携の上で金属アレルギーと診断された患者様』 
です。

医科と歯科は連携は少なく、医師側からだと専門外の歯科の事は全然わからないというのが実情です。
おそらく歯科の先生方からも専門外の医科の事はわからないというのが正直なところだと思います。

私の以前勤めていた病院の患者様でも、歯科を受診して金属アレルギーと言われ、それは当然ですが医師による診断ではないので『金属アレルギーと医師から診断されれば保険適応の歯もある』という選択肢を提示されることなく高額な自費治療を勧められて受けられる方や『金属アレルギーになったらいけないので金属を使っていない歯を入れましょう』などと有無を言わさず高額な自費治療を行うことになった。という患者様がいらっしゃいました。

『保険診療の治療もあるということも知った上で、高額ではあるがより上質な自費診療を選択する』ことと『情報を与えられずに選ばされる』のでは全く違います。
ぎなん皮ふ科クリニックでは皆様に『正確な情報』と『よりたくさんの選択肢』を歯科の患者様にも提示していただける誠実な歯科の先生方と知識の共有を通じてしっかり連携していきたいと思っています。

歯科金属アレルギーを疑っており、しったりした検査と安心安全な歯科治療を受けたいと希望される方はお近くの上記歯科へまずご相談いただき、当院へ紹介状を持参いただければパッチテストを施行し、その後の歯科治療へフィードバックできるようにさせていただきます。


posted by ぎなんMS at 07:00| 日記